爆発まで残り5分となりました



「じゃあ、後でね」



「うん。そっちも気を付けてね!」



後ろから最後に声がかかって、笑顔で一度振り向くと、私は目の前の角を曲がって廊下を走った。







すると、また、数人の生徒とすれ違う。




ふわふわとしたシャンプーの香りと、ぱっちりとした目───一瞬の間、隣で揺れたポニーテール。





「あれ?」と声が聞こえて、私もそのうちの一人の生徒も、足を止めた。





「夏仍……なの?」






───この、声。









急に目に涙が溜まりだして、私は制服の袖の辺りに目を擦り付けた。














「……ゆ、ずき?」