爆発まで残り5分となりました



二人は私と朱美にそう言うと、階段を駆け上がっていった。



私と朱美も階段を上がると、すぐに二年一組の教室の前に立つ。






そこで一番驚いたのは、死体が一つも、見当たらなかったこと。



少し前に見ていた赤一色の景色が、嘘のよう。血の一滴も、廊下には無い。







すでに数人が入っていたらしく、すれ違い様に、「いなかったよ」と教えてくれた。




これなら、すぐに終わりそう……クラスの教室だけなら、だけど。




特別教室は、家庭科室、美術室、理科室があるから……そこも探さなきゃいけない。






「……これ、二手に別れた方がいいよね」




朱美も分かっていたらしく、うんと頷いて、廊下の奥を指差した。