二人は私と朱美にそう言うと、階段を駆け上がっていった。
私と朱美も階段を上がると、すぐに二年一組の教室の前に立つ。
そこで一番驚いたのは、死体が一つも、見当たらなかったこと。
少し前に見ていた赤一色の景色が、嘘のよう。血の一滴も、廊下には無い。
すでに数人が入っていたらしく、すれ違い様に、「いなかったよ」と教えてくれた。
これなら、すぐに終わりそう……クラスの教室だけなら、だけど。
特別教室は、家庭科室、美術室、理科室があるから……そこも探さなきゃいけない。
「……これ、二手に別れた方がいいよね」
朱美も分かっていたらしく、うんと頷いて、廊下の奥を指差した。



