「夏仍……もう、行くしかないよ。早くしなきゃ、何が起こるか分からない」
「ここは悠真の考えを優先しよう。何か起こってからじゃ遅い。手遅れになる前に、早く捜そう」
轍にも促されて、私は黙り込む。少し考えてみたけれど、それもそうかもしれない。
とりあえず……動きながら様子を見よう。
「うん、分かった」
私達は上履きのまま駆け出すと、一直線に校舎に向かって走り出した。
───
「まず、二手に別れよう。俺と轍は三階から行くから、霧雨と夏仍は二階。
調べ終わったら、一階の一年一組の前で合流な?」
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