「……夏仍!だ、大丈夫!?」 朱美の顔が視界に映る。まだ、少しだけ頭が痛いし、ぼおっとするけど。 怪我はないし、どうやら無事だったようだ。 「だ、大丈夫……。でも、グラウンドって……あ!もしかして出られたの!?」 私がそう言うと、朱美は途端に表情を曇らせて、黙り込んでしまった。 「バーカ、んなわけねぇだろ」 後ろから声が聞こえて振り返ると、そこには轍と悠真が立っていた。 轍は私を見ると、首を横に振った。 「どうやら眠らされて、ここに連れてこられたみたいなんだ」