目の前まで伸びてきた朱美の手を取って、立ち上がる。 ───聞かせてくれるかな。 もし、……私たちが生き残って、無事に卒業することができたなら。 朱美にも、悠真にも、轍にも、 ちゃんと、お礼を言えるかな? 「……せめて、それだけは言いたい」 私が一人で小さく呟いた言葉を、誰かが拾うことはなかった。 ただ、目の前の皆の背中を追いながら、私は心のなかで、ずっと思っていた。 ごめんなさい。 そして、ありがとう──。