「分かんないけど……胸騒ぎがする。嘘、じゃない……本当に……」
「……そっか」
ゴオオオォ、と、風の唸る音と共に、ガタガタと窓が揺れる。
ぐっと、力を入れた手で膝を抱えると、体は石のように堅くなる。
悠真はそんな私の背中を、何も言わずに、ずっと擦っていてくれた。
固く結ばれていた紐がほどけていくように、体の力は次第に抜けていく。
スカートから少し、目を逸らすと。
隣にいた悠真はいつになく真剣で、でも、とても優しい顔をして、前を見ていた。
───ありがとう……悠真。
でも、本当に私は、
悠真に助けられて……ばっかりだ。



