「あいつらが教室入るかもしれねぇし……俺らは外に出るか」 「うん……」 聞こえたかも分からないような小さな声で言うと、私は立ち上がって、ドアの方に向かった。 廊下に出ると、血で型のついた足跡がいくつかあった。 私は相談室のドアの隣に座って、悠真はその隣に胡座をかいて座る。 「……寒いか?」 「ううん、大丈夫……」 さっきのこともあってか、ぎこちない会話が続く。悠真は必死に、話題を探しているけれど。 ──寒くないんだよ。 寒くはないのに……