爆発まで残り5分となりました


ドアの間を抜けて、別世界のような階段の前に着いた途端、私はすぐに腰を落とした。




体の力が抜けて、涙は止まらない。






「……心配かけるなって言ってんのに……」




視界に移る血塗れの靴下も、悠真の足も、歪んで見えてしまう。





「先生が……っ」



「は……?」



「先生が、私に……『死ぬな』って、言った。皆を助けてって、言われた……っ」



「……」



「どうして、そんなこと……私に」



「そんなの知るか!でも、言われたもんは仕方ねぇだろ……先生の分まで、ちゃんと生きるしかねぇんだよっ!!」




そう言う悠真の声は、涙声だった。