冷たい地面に横たわっている、一つの人影。もしかして……生徒?
「大、丈夫?……あの……」
そう、声をかけた時だった。
その影は大きく動いて、何事もなかったように、立ち上がる。
予想以上に大きいその背中に驚いて、私は声を出すことができなかった。
それは、あの───
「……ま、さか」
刹那、降り下ろされた手によって、私の首は簡単に掴まれてしまった。
ぐっと力のこもった手により、首の根本を締め付けられる。
それもそうだ。相手は、──先生。
首から上が異常に熱くなって、心臓は激しく脈を打つ。
息が……でき、ない。



