爆発まで残り5分となりました


どうしよう……帰れない!



息は白く濁り、瞬時に霧と同化する。



頭はキーンとするし、とてつもなく寒い。どうして……こんなに寒いんだろう。




「悠真ぁっ!!」




叫んでみると、すぐに回りに吸い込まれていくように、声は消えてしまった。



酸素が薄いのか、息が苦しい。



「は……ぁ、どう……しよ」




仕方がなく、玄関の方に行ってみることに。




うっすらとだけど、確実に先は見える。立ち並ぶ下駄箱も、端にある掃除用具箱も。




そして、地面を這うように転がる───一つの黒い影も。





「いやあああっ!はぁ……はぁっ……」




思わず悲鳴をあげてしまい、息が上がる。