そのままの勢いで、私は向きを変えて走り出した。時刻はいつの間にか、五時を過ぎていた。
恥ずかしくて、顔もあわせられない!
そのままドアに一直線。
ぶつかる手前ですぐに開いて、理科室を飛び出した。
「は!?ちょっ!夏仍っ!?どこ行くんだよ!!」
「お願いっ!こ、来ないでっ、お手洗いだから!!」
声が裏返ったけど、それどころじゃない。
息が苦しくて、床を転げ回ってしまうぐらい恥ずかしくて、嬉しくて……辛くて。
悠真が、そんなこと考えるはずない……きっと。さっきのは何かの、間違い?
廊下を走って、階段を下りて、皆の事を無視して走っているうちに、私は等々、生徒玄関の所にまで来てしまった。
三人の姿はなく、追いかけてきているはずの足音も、聞こえない。



