悠真の質問が、全く耳に入ってこない。
ああ……え、と、コクハク……?つ、付き合う?私、なんかが……?
一歩、また一歩、足が勝手に後ろに下がっていく。
「夏仍……俺、べつにそんなつもりで言ったんじゃなくて……!えっと、その……なんつーか……いや、ホントだから!!」
悠真も首を必死に振って否定しているようだけど、まったく伝わらない。
悠真までパニックになってるじゃん!
「あーぁ、悠真。佐山に引かれたな」
「まぁ、初心者だからねぇ」
他人様の轍と朱美は、呆れたように顔を見合わせて笑っていた。
「お前らが変なこと言うからだろ!!」
心臓が破裂しそうになって、私は叫んだ。
「い、今は……駄目だよ!!そんな、……私なんか……やっぱり!」



