「……う~ん、それは……どうかな」
二人が仲良くなれなくなったなら……私は産まれなくたって、よかったよ……?
私は……産まれたくなかった──
震える私の肩を抱くようにして、手を下ろし、その手は私の背中に回る。
「でも、夏仍が産まれてから……本当に私は、幸せだった」
ポタッと、涙が溢れる。
「どうして……そんなこと、言うの?」
お母さんは……どうして、幸せだって言うの?私が産まれなかったら、二人は、
ずっと、──仲良く暮らせていたのに。
「夏仍には迷惑かけたよね……っ。お母さんの料理もまともに食べさせてあげられなかったよね……。なのに、夏仍はたくさん、お母さんを助けてくれた……」
「……おかあ、さん」



