「でも、夏仍がちゃんと言ってくれたから。ママも夏仍に言われてグサッときたのか、和室に閉じこもったまま、動かなくなっちゃったのよ!」
布団をぎゅっと握りしめて、体の震えを一点に集中させる。
おばさんは笑っていた。
ざまあみろ、とでも言いそうで、お母さんを嘲笑うような口調で言ってから。
違う……そんな、はずない。
お母さんがそんなこと……なんで。
「そりゃあ、もちろんよね!もちろん、夏仍は私の味方だもんね!あんなクズの子じゃなくて、おばさんの子なんだよね!」
肩をガシッと強く掴まれて、私は「ひっ」と小さい悲鳴を出した。
嫌だ……よ。嫌だ嫌だ嫌だ。
心のなかで何度連呼しても、唇は震えて、言葉は出てこない。
私は恐怖のあまり、笑って、
───答えしまった。



