「あの馬鹿ママはね、もとから頭がおかしい。びょうきになる前から、ずーっとそう。料理もまともにできないし、その上家事も全くしない。
ほんっと、情けないよ」
馬鹿ママって……何言って。
「昨日の夜、馬鹿ママとね、夏仍のことについて、ちゃんと話し合ったの」
「私のこと?」
「そう。誰が育てていくのが一番いいのかって、決めたんだけどね。あの馬鹿ママに聞いたら、こう答えたのよ。
『育てたくない。あんな子はいらない』」
血液が凍りついたように、体全体が瞬時に冷たくなった。
「いらない」
お母さんは、本当に……そう言ったの?
そう言っていた時のおばさんの笑顔は、どこかが、怖かった。



