「これ、ヤバイんじゃねぇの……」
そう言って、友達の手を引いて駆け出した。───そして。
それを見ていた女子も男子も、その声を聞くなり一斉に駆け出す。
ドアの前で渋滞が起こり、他の生徒を押し退けたり倒したりしながら進んでいく人もいた。
「どいて!私が先なんだから!」
「ちょっと邪魔!男子は下がっててよ!」
「うっせーな!俺らが先だ!!」
滝の流れのように押し寄せてきた列に飲み込まれて、私は身動きがとれない。
ぎゅうぎゅうになりながら、何とかドアの前まで来たと思った瞬間。
ドンッ!
体をぐっと押されてよろめいた私は、背中から地面に倒される。
「あぅっ!」



