「何があったんだ?」
お父さんは、赤い紐を持っている私を見るなり、驚いて訊いてきた。
「わるものから、追い払ったの。……そしたら、お母さんが元気になるって言うから」
「……」
それを聞いて、一瞬戸惑った表情を見せたお父さんだったけど。
「すごいでしょ?お母さんもお父さんも、やっとこれで、本当に仲良くなれる。
わるものは、もういなくなったんだよ!」
私がそう言うと、お父さんは私を抱き上げて、「そうか」と、笑った。
そしてその後、私は疲れたのか、すぐに眠ってしまった。
「やっと、お父さんの味方になったんだな。……えらいぞ、夏仍」
最後にお父さんが、そう言っていた。



