───『お母さんが嫌になるような言葉を言って。そしたら、お母さんは元気になるから。分かった?』
「……もう、お母さんの子じゃない!」
息を口一杯に吸い込んで、大声を張り上げる。私が、お母さんを、助ける。
「え……?……何、言ってるの、夏仍……」
お母さんは意味が分からないといった風に、顔を歪めている。
───全部、知ってるんだから。
「お母さんの嘘つき!許してくれだなんて言わないで!!私は、ずっと二人が仲良くしてるって信じてたのに……どうして嘘なんかついてたの!」
「……な、んで……」
「嘘つき!人任せ!ろくに料理もできないで、どうして嘘なんかついたの!」
「な、つよ……」
……お母さん、ごめんなさい。



