爆発まで残り5分となりました



「お母さん?」



呼んでみても返事がない。



部屋に足を踏み入れると、そこには、リビングのソファーの前に寝転んでいるお母さんがいた。




寝てたんだ。……疲れてるのかな?




でも、何だか様子がおかしい。



……目は開いてる。小声で、何か言ってる。手には、赤い毛糸の切れ端。



───毛糸の、きれはし?





「お母さん?……お母ーさん!」



「……つ、よ。……な、つよ?」




お母さんの目からは、涙が溢れている。



紐は明らかに手に……両手に、握られている。……何しようと、してたの?



「お母さん……どうしたの?」



私が聞くと、お母さんは優しく笑った。