「あら、おはよう。お父さんも、もうごはん出来ているわよ」
「ああ」
私が椅子に座って、二人も椅子に座る。
いただきます、とお母さんが言って、私は箸を持った。……変わらないよ。
お母さんもお父さんも、笑ってる。
「……夏仍、元気ないけど、どうしたの?」
「そ、そう?」
やだ……バレちゃう。
私は食パンを口に詰め込んで、ごまかすように笑って見せる。
「何かあったなら言ってね。お母さんもお父さんも、心配なんだから」
「べつに、何もないよ?」
昨日のことが、……どうしても、頭から離れない。ずっと、離れない。
聞きたいけど、聞けない。



