『なお、バクハツの五分前には、全ての教室に────』
ガシャッと音がして、隣のクラスの男子が立ち上がった。
「はぁ?お前何言ってんだよ!冗談じゃなくて、真面目なゲームにしろや!」
「そうだ!爆弾とか怖がらせるなよ!」
「そのゲームつまんなそうなんだけど! もっとほかのにしてよ!言っておくけど私たち、そんなのやらないから!」
「だいたい、爆発とか冗談きついし!」
それに答えるように、スピーカーからまた放送が流れた。
『では爆発が嘘じゃない証明として、この体育館を爆破します。ステージに、ご注目ください』
一斉に、三年生の目線がステージに集まる。
───スタッスタッ。
そんな足音が聞こえて、ステージの端の幕が微かに揺れた。



