「ひっ……く、う、うぅあ……っ」
泣きながら、私は階段を下りる。あぁ、電気つけておけばよかった。
おばけでも出そうな真っ暗闇。
怖い……怖いよ。
ボタボタと涙が溢れたけど、それでも、私は手すりをつたって、階段を下りた。
怖い夢だっ。あれは、怖い夢。
大きい一段一段を慎重におりて、私はやっと、冷たい廊下に素足をつけた。
お母さんとお父さんが、私を取り合う必要なんてない。だって、二人は仲良しなんだよ?
「お母さん、お父さんっ……」
誰にも聞こえないように呟いて、私は、廊下をふらふらと歩いていく。
やっとで、二人のいるリビングに繋がるドアの前まで来た。そして、ドアノブに手をのばした、
……その時だった。



