「お味噌汁と、肉じゃがでーす」
お母さんは台所に行くと、大皿にてんこ盛りになった肉じゃがを持ってきた。
「しかし、久しぶりだなぁ。家で食べる肉じゃがなんて」
お父さんの服を手にかけて、お母さんは和室に向かった。
私はすぐに、お父さんの大きい背中を押す。けど、動かない。
「さあさあ、お父さん。椅子に座って」
「うん。じゃあ、早く食べよう」
すると何故か、お父さんはすぐに箸を持って、おかずに運んでいく。
待て待て待て待てえっ!
「お母さんが来てからだよっ!一人でさきに食べちゃだーめっ」
私はお父さんのお箸を取り上げて、ぐぅっと天井につきだす。
でも、その後あっさり取られてしまった。



