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ガチャン、と音がして、玄関のドアが開いた。続いて聞こえる、「ただいま」の声。
やった！帰ってきたんだ！
「おとうさーんっ！」
「おぉ、夏仍。ただいま、今日は仕事がはやく終わったから、帰ってこれたんだよ」
黒いスーツに黒鞄。
スラッとした体型に、眼鏡。何だか、黒ばっかりだなぁ。
お父さんは、黒が好きなのかな？
「しゅっちょーは、もういいの？」
「もう少ししたら、また行くかな。それまでは、早く帰ってこれるんだ」
てことは、お父さんはこれから、早く帰ってきてくれるってことっ？
「いつっ！？いつまでぇ！？」
私はお父さんに飛び付いて、したから顔を見上げる。
