「でもね、私は……、皆のこと、ちゃんと信じたいから。これは、自分のためでもあるの。……今から話すよ、全部」
私は調理台付きの机に持たれると、ふうっと息を吐く。
いつか、こんな日が来ると思ってたんだ。
……私が私の過去と向き合う日。
ずっと避けてきた道も、一度は通らなくちゃならない────。
同じ道ばかりじゃ、先には進めないから。
───私は一生、成長できないから。
私は決意を固めると、あの日を思い出すように、一度目を閉じる。
「ことの発端は、小学校……あの日は、ちょうど、一年生になったすぐだった」
瞬きが終わった時、目の前には。あの日───幼い自分のいた世界が、広がっていた。