「他人の命は、自分の幸せと比べるものじゃないっ!!」
『それは、キミの幸せが他人の命と比べられるほどの価値が無いからだろ!』
すかさず、声に対して悠真が噛みつく。
「考えてみれば分かる!!……他人の命は、他人にとっては自分の幸せだ!だったら、他人の命は、俺の幸せだッ!!それ以下でも、それ以上でもない……ッ!」
赤く腫れた目を開いて、悠真は力一杯叫んだ。
それが分かっていたかのように、声は低くなり、私とは態度が変わった。
『……キミは本当にムカツクね。ハセユウマ、だっけ?』
「……」
『初めて見たときより随分変わった……────ケケケ、面白い。キミの望む結末を、期待したくなるよ』
私たちの望む結末なんて……もう、決まってる。……皆で、帰るんだから。



