ううん、そんなのどうでもいい。
私は、この声と……ちゃんと向き合わなくちゃいけない。
「……私は、自分の本当の気持ちを知った。あなたのおかげで、現実と向き合うことが出来た」
『一体、何が言いたい』
暗く低い、闇の奥に沈んだような声が、私の心の底まで響いていく。
『ボクは、キミの本当の姿を見せてあげたんだ。……妬ましいか?恨みたいか?どうだ!今のキミのことを、許せないだろう!?』
私は背中から自分の手を離し、悠真の手をほどいて、立ち上がる。
確かに、そうだよ。
「私は最低だよ。皆に迷惑かけて、悠真の気持ちも、勝手に踏みにじった」
『ケケッ、やっとだ。やっと、今の自分の罪の重さに気付いたか!!』
……罪、なんかじゃない。



