爆発まで残り5分となりました


聞き覚えのある声が、どこかから流れてくる。前とは違って、ハッキリと。







『……ケケケケッ。馬鹿だね、本当に。自分の本当の気持ちに気づかせてあげたってのに、キミがボクを裏切るなんて。


まさか、友達が助けに来るとはね』




そしてようやく、その声の出所が分かって、心臓がバクバクと動き出す。




──スピーカー……だ。




あの曖昧な意識のなかで聞こえた音。



もし、実際に……スピーカーから流していたとしたら。






『ハァ。キミには失望した、残念だよ』




嘲笑うような口調で、声は続ける。



これは……幻聴じゃない。じゃあ、さっきの声も……私だけじゃなくて。



────ここにいる皆にも、聞こえていたってことなの?