爆発まで残り5分となりました




そおっと、誰にも分からないように、私も悠真の背中に、手をまわした。



涙が止まらなくて───それでも、必死で、涙を堪えようとして。



潤んだ声で、呟く。







「ありがとう……私、嬉しいな」




それが聞こえていたのか、朱美は顔を覆っていた手を外して、笑顔で顔をあげる。




「夏仍……っ!」



「佐山ぁ……お前……っ、う、ああぁぁ!」



轍の声は、すぐに嗚咽で掻き消される。





悠真は、ずっと、そばにいてくれるんだね。……嬉しい……、本当に、嬉しい。




「遅くなってごめんね。でも……悠真の声、私にも、ちゃんと聞こえたよ……?」



「ああ……」と言って、悠真はまた、
嗚咽を漏らして泣き出した。