『さぁ、さあさあさあッ!!!キミの答えを聞かせて!ナツヨ───!』
にやっと不気味に笑った目の前の悠真の手に、自分の手を重ねようとした、──その時。
後ろから、何かの割れる音と共に、爆音のような大きな声が近付いてきたのは。
「そんなの知るかよ!!このボケナスがああああぁっ!!!」
ガッシャン!!と、激しく目の前で何かがぶつかる。
目をそっと開けば、そこには男の子が──片手にサブバッグを持って、肩で息をしていた。
「勝手に俺の物に手ぇ出してッ!!人の気持ちをお前が代弁するんじゃねぇ!!!」
彼は、後ろも見ずに、私の腕を掴む。
割れた部分から、大量の光が、彼の背中を照らして。
「……だれ?」
私が聞くと、彼はこちらを向いて、あの懐かしい顔で、笑って見せた。



