捲し立てるような声に、私の意識は吸い込まれていく。
『……さぁ、サヤマナツヨ!!
どうしてだと思う!今までのように偽ってきた自分を、ユウマはずっと嫌っていたんだ!』
「ゆう、ま……」
涙が溢れて、黒い世界にシミも作らずに沈んでいく。そして、声は続ける。
『今のキミを見たら、ユウマはきっとこう言うだろう!
【他人の命を犠牲にしてまで幸せを掴もうとしたキミが、ずっと好きだった】って!』
そこで、皆と笑っていた時は崩れて、バラバラになって、黒い世界に沈んでいった。
そして残ったのは、目の前にいる、ハセユウマという人。彼だけが、笑って私を見てくれている。
『どうして世界は、善人を中心に回り続ける!どうして偽ることは罪で、偽善者は悪人なんだ!!』
悪くなんかないよ。そう……誰も、悪くなんかないじゃない。



