爆発まで残り5分となりました


捲し立てるような声に、私の意識は吸い込まれていく。





『……さぁ、サヤマナツヨ!!


どうしてだと思う!今までのように偽ってきた自分を、ユウマはずっと嫌っていたんだ!』




「ゆう、ま……」



涙が溢れて、黒い世界にシミも作らずに沈んでいく。そして、声は続ける。




『今のキミを見たら、ユウマはきっとこう言うだろう!



【他人の命を犠牲にしてまで幸せを掴もうとしたキミが、ずっと好きだった】って!』




そこで、皆と笑っていた時は崩れて、バラバラになって、黒い世界に沈んでいった。



そして残ったのは、目の前にいる、ハセユウマという人。彼だけが、笑って私を見てくれている。




『どうして世界は、善人を中心に回り続ける!どうして偽ることは罪で、偽善者は悪人なんだ!!』



悪くなんかないよ。そう……誰も、悪くなんかないじゃない。