「いやあああああああぁぁぁっッ!!!」
心の奥で何度も繰り返される、あの人の名前。
ピキ、ピキ。
……悠真も、私を一人にする、の?
アケミもテツも、ユズキも悠真も、いなくなる。……私は一人、ずっと、ひとり。
『今のキミは、本当に素晴らしい偽善者だ!!考えてみれば、ユウマはそっけない態度をとっていたじゃないか!ユウマは前まで、素直だったキミを嫌っていたじゃないか!!』
「す、なお……」
───悠真は私が嫌いだった。
あの時の私は、善人だったから。
悠真が嫌っていた
佐山夏仍という、──善人だったから。
悠真も……私と同じように、皆と一緒にいたかったんだね。



