私は机の反対側にまわって、朱美の隣に座った。 そして、朱美の肩を抱くようにして、手を被せる。 「大丈夫……大丈夫だよ。私も、卒業なんて……───」 したくない。 そう言おうとしたのに、言葉が喉の奥でつっかえて、いっこうに出てこない。 その間にも、頭の中で、少し前の二人の会話が再生される。 『夏仍は、さ。このゲームを終わらせて、卒業したい?』 『それはしたいよ。……どうして?』 ───あの時。 『そりゃそうか……』 悠真がそう答えた理由。 ……今、やっと分かった気がする。