爆発まで残り5分となりました



朱美は、もう打ち明けるしかない!という顔をして私を見る。そして……



「轍……が、好きなの」



と、一言。



静かすぎる理科室の中で、小さい朱美の声が、空気を伝って響いた。




「へ……そ、そうなんだ」



「轍とは、昔っから良く遊んでたの。小さい頃だったから、アタシが轍と一緒にいたことなんて、誰も覚えてないけど。


幼馴染みっていう関係に届きそうなぐらい、だった……」




「へぇえ」と軽く相づちを打つと、朱美はまた机に伏せた。



「だけど、ね。アタシがどんどん距離を置いてくうちに、轍とも遊ばなくなって。今では、ああやって少し話すぐらいしか、できなくなって……」



「……」



こんな話……させてもいいのかな。やっぱり話題を変えよう、と思っていたら。



「でも」と、ひときわ目立つ嬉しげな声が、朱美の口から溢れた。