「そりゃあ」と言って一旦切ると、朱美は微笑して答えた。
「友達いないんだもん。こんなこと……聞ける人もいなかったし」
「ご、ごめん……」
「ふっ、謝らないでよ。もう何とも思ってないし」
笑いかけるように朱美は言う。じゃあ、私も聞いてみよう。
「じゃあ、逆に。朱美はどうなの?」
しばらく沈黙が流れたかと思うと、朱美が顔を真っ赤にして答えた。
「………………いる、けど」
机を挟んで、目の前にいるとは思えないほど、朱美の声は小さかった。
……ん?
「い、いる?」
「な、何度も言わせないでよっ……」
え!?朱美って……好きな人いるのっ!?



