結局何も分からずじまいで、事は進んでいく。いままでのように。
五十五分の自由時間は、五十五分の葛藤の時間。改めて、痛感した。
「デザートでも頼もっかな。一緒に行く人、いるー?」
「あ、じゃあ俺も行くー」
お腹が空いたのか、轍は悠真を引き連れて食べ物を貰いに行った。
残された私と朱美は、というと……。
「ねぇ。夏仍は好きな人とかいるの?」
朱美の唐突な質問に、思わず目が飛び出しそうになる。
「えっ!?」
「何?」
いや……朱美って……。私は驚いて固まる。
「朱美が……そんなこと聞くなんて思わなかったよ。……凄く意外だなって」



