理科室に入ってきた私達のところにいちはやく駆けつけたのは、轍だった。
「どうだった?」
悠真が、首を横に振って、しばらくしてから答える。
「……完敗。聞くきもなかったぜ?」
轍が難しい顔をする。
悠真はふうっと息を吐いて、続けた。
「やっても駄目なもんは駄目だな。後は、あいつらの判断に任せる」
「そうか……」
けど、皆、怒る素振りは見せない。
轍は……分かってたのかな。あんな態度で、私達が帰されてしまうことを。
「無理矢理ってのも可哀想だけどさ。次の爆発で死ぬって決められてるかもしれないからなぁ……。どうすればいいんだか」
規則性が、本当なのかが分からない。
きっと、それが私達を縛っている事実なんだと思う。



