私はふっと息を吐くと、振り返らないまま、「分かった」と呟く。 「じゃあ、念のため。俺と霧雨は廊下に出ておく。時間が確認できないから、なるべく早く帰ってこいよ」 轍が理科室のドアを閉めながら、私と悠真に言った。 「おぅ、分かった。じゃ、行くな」 そう言って、悠真が走り出した。私も置いてかれないように、急ぎ足で走り出す。 ───── 「……悠真」 「ん?」 「どうして……来てくれたの?」 クラスまであと、数十メートルという所で、悠真の足が止まりかけた。