「はぁ?」
でも、柚希がいなくなっても、悠真は一緒なんだよね……これからは。
「わ、私は……別に誰の方が好きだとかそういうのじゃないけど。悠真といても、柚希といても私は楽しい、よ?」
柚希が目を丸くする。
「な、夏仍っ!?どどどどこかで頭打ったの!?こんなバカと一緒にいて楽しいなんて……とうとう夏仍までおかしく」
失礼なっ!柚希は時々ストレートに物を言う。
悠真は馬鹿馬鹿言われて嫌そうな顔をしている。別に、友達といるのなら誰でも良いことじゃない。
視界に映った時計を見てハッとする。
「ほら、そろそろ時間だよ。悠真も柚希も廊下に並ぼうよ」
「もぅっ!夏仍はお人好しなんだから」
バシッと背中を叩かれる。
一体、私のどこがお人好しなんだろう。とりあえず悠真の悪口だけは柚希の口から漏らさないようにしよう。



