──── クラス側の廊下を抜けて、特別教室側の廊下に差し掛かろうとしていたときだった。 階段の方から、女の子の声が聞こえてきたのは。 「悠真、待って!」 「んっ!?」 先頭を走っていた悠真を引き止めると、上履きが地面で擦れて「キュッ」と音を立てた。 「何だよ……いきなり」 肩で息をする悠真が、嫌々振り返る。 一つお下げの髪に、黒真珠のような、くりっとした瞳。 「あ?確かお前……さっきの……」 悠真はなにかに気付いたのか、ぎょっとした目でその子を見ている。