爆発まで残り5分となりました


酷い悪口を言われたり、傷つけ合うことだって、何度もあった。




───でも、その中にだって。



誰かを生き残らせるために自分が犠牲になることを選んだ人も、ちゃんといた。




このレクリエーションは、他人の事を考えて動くものじゃない。



主催者が望んだように、騙し合って、傷つけ合って、お互いをボロボロにして、最後に勝ち残った人こそが勝者と言い張る、最低なゲーム。




だけど、もし──悠真を助けてくれたような人が、沢山いるなら。



その時はきっと、生き残れなかった人にだって、必ず恩は帰ってくる。





「だから、俺は絶対に、アイツの死を無駄にしない」



情けない気持ちを胸の奥で殺して、悠真がきっぱりと言い放つ。




「けーどさ。あんまり俺らに心配かけんなよ?さっきみたいに」



轍がにやっと笑って、悠真の肩に手をのせた。