爆発まで残り5分となりました

しばらく沈黙が流れた後で、柚希の表情が変わった。



「でもさ。今日で二人ともお別れだからね……やっぱり、ちょっと寂しいかな」


「うん、そうだよね……」



これといって仲が良い人はいないから、柚希がいなくなると不安だ。



空気が重くなる。




「んだよ!卒業式の朝っぱらからこんなにムード暗くするなよ」



「ゆ、悠真だって。離れるのは寂しいくせに。夏仍だって、悠真だけじゃ頼りないと思ってるよ」



柚希は呆れたように、でも寂しそうに呟く。


頼りないと言われた悠真が、「何だよ」と私を見て口を尖らせた。



でも……そうかも。柚希がいなくなったら、頭がちょっと抜けてる悠真は頼りないかもしれない。



「じゃあ……夏仍は俺がいるより、小南がいた方がいいってことか?」




「それはそうでしょ。悠真は男子、私は女子だよ?しかも、男子がいた方がいいって気持ち悪いし」