「で、手当てして帰ろうと思ったら……退場が始まったわけだ」
けど、退場で生き残ったなんて……いくらなんでも、運が良すぎると思う。
「大丈夫だったの?」
「ダテに陸上部に入ってたんじゃねーから。俺だって、本気を出せば五分ぐらい逃げられる」
そう言って、パンパンと太ももの辺りを叩いて見せる、悠真。
朱美がそれを聞いて、不思議そうに呟いた。
「でも、よく逃げられたよね。相手は銃だし、遠距離でも近距離でも……攻撃出来るのに」
朱美の発言を聞いた時、悠真は一瞬だけ、辛そうに顔を歪めた。
「ああ。それには、わけがあって……」
「わ、け?」
轍と朱美と声が重なる。
「退場で死んだやつがいたじゃん、一人。そいつに、助けられたんだよ……」



