「…………っと」
すると、突然悠真の体が前のめりになって、倒れそうになる。
あと一歩、というところで轍に支えられた。
「悠真……っ!?」
私が手を出そうとすると、悠真はへへっ、と苦笑いをしてみせる。
「これぐらいヘーキ……走りすぎて、ちょっと疲れただけだって」
……無茶苦茶、だよ。
────
悠真が女子生徒についていくと、そこには、手首を切った女の子が倒れていたらしい。
幸いにも、そのグループが、保健室に留まっていたため、手当て用のセットを取りに行かせ、廊下で処置をしたという。
女の子は、精神的なストレスからか自分を追い込み、自殺を図ろうとした、と……。



