『バクハツまで、残り五分となりました。これより、生徒の退場を行います』
ドアに向かって足を進めて、ついたときには、もうドアが開くことはなかった。
ガッ、ガッ……
「や……だ、開けて……開けてよ……」
何かをつらそうに言っている轍の声が、嗚咽でかき消され、聞こえない。
どうして……?まさか、騙された……?
あの子に……騙されて、退場なんかにさせられてるの?そんなの……おかしいよね?
「悠真……っ。何で……こんな、退場なんかで……死なないで……!」
ボロボロと涙が溢れて、床に小さな水溜まりが出来ていく。
歪む視界には窓から漏れた光が差し込んで、反射して、眩しい。
どこかからか、パン、パンと銃声まで聞こえてくる。



