爆発まで残り5分となりました



「やっぱり、私、見てくる……」



足を前に出そうとした途端に、轍に左腕をがっちりと掴まれた。



「おい!待て……って!」



「離してよ……じゃなきゃ、悠真が……!」



私が言うと、轍が私の手をぐっと引っ張って、怒声を出す。



「お前まで死んだらどうするんだよ!!」



「……っ」



そりゃあ、私だって死にたくはない!けど、このままじゃ……あと、ほんの数十秒で帰ってこれるなんて、信じられないよ。




「まだ死んだなんて……決まってないんだろ!!だったら俺らが、生きて帰ってくるって信じなきゃ、少なくとも、悠真が気持ちよく帰ってこれねぇ!!」




「それでも……!私、放っておけないよ……」



目に涙が滲んで、私はごしごしと目に制服をあてて擦った。





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