「…………ホントだ。まだ聞いてない。朱美は、聞いた?」
と、私が聞くと、
「ううん。アタシも……聞いてない」
朱美も首を横に振った。
───放送が流れないって……こと?
「私達……聞き逃したの?」
「いや……そんなはずないだろ。俺だってまだ聞いてない、放送なんて───」
轍が焦ったように答えたその時だった。
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィッッッッ!!!
「っ……!!」
近くに設置されていたスピーカーから、大音量の不可解な音が流れた。
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