「まぁ、次の教室でもお喋りなんて出来るんだからさ。そうビビるなよ」
悠真は轍の隣に立つと、そう言って轍をつつき始めた。
私も羽織っていた悠真の制服を腕にかけて、机の方に向かう。
「いつ死んじゃうかも分かんないのに……悠真は何だか余裕だね」
「ん?そうかな……」
「そうだよ」と言って、私は制服を返した。
でも、私も。悠真の言う「パワー」とやらのおかげか、あまり怯えずにいられるんだけど。
まぁ、どうせ気のせいだよね……。
〈ピーンポーンパーンポーン〉
『バクハツまで、残り五分となりました。これより、生徒の退場を行います』



