「それぐらい、悠真にも出来るよ」
そう言って、悠真の肩をたたいたけど、悠真は目の前を見つめたまま。
小さく、呟いた。
「後悔を消す、ってさ……案外難しいことなんだよな」
私は悠真の肩に手をのせたまま、「ふぅん」と言って立ち上がった。
「色々と大変なんだね、悠真は」
私が作り笑いを浮かべて、眠っている二人を見ていると。「夏仍」と、名前を呼ばれて、もう一度振り向く。
「何?」
ぐぅんと大きな背伸びをして手をあげると、悠真は腰に手を当てて、無邪気な笑みを浮かべた。
「何だかスッキリした。こんなこと他の人に話すって、久しぶりだったから。その、……ありがとな」
「そっか。それはそれは、どういたしまして」
「んだよ、わざとらしいなぁ。そういうのは、素直に『ありがとう』って言えよ」



