それからは、しばらく重い空気になって、誰も話さなくなった。
次の教室は、どこにするんだろう。
聞きたくても聞けなくて、悠真も何かに悩んでいるように見えた。
「あと十五分か。爆発まで」
わざとらしく大きく言った轍の一言が、寂しく教室に響き渡った。
手が異常なほど冷たくて、体が震えた。三月なのに、今年に入ってからは寒い日がまだ続いている。
……さっき、ドアに触れたからか、体調もあまり良くなかった。
私が一人、地面に座って体育座りをしていると、悠真が席をたって、私の隣に来た。
何をするのかと、心臓をバクバクさせていると……
ふわっ、と私の背中に、悠真の制服がかけられた。
「寒いなら着てろよ。俺の貸すから」
「え?……寒くないの?」



